春の台湾日記

私と台湾

基隆と、有名観光地、九份、そして悲情城市(初めての台湾旅行②)

初めての台湾旅行の初日ですっかりこの地にのめり込んでしまった私は、2日目に最も楽しみにしていた九份に向かいました。到着してみると、ものすごい人の数で、多くが日本人観光客、求めていた場所とは少し違うなあと感じながら、ここで一泊する予定にしていたこともあり、急遽基隆を訪れることにしました。

基隆港はかつて日本が台湾を統治していた時代に最も重要な港であり、基隆という町は当時の大半の日本人が初めて踏んだ台湾の地でもあります。1934年当時は台湾の貿易総額の半分以上をこの港が占めていたそうです。景色がとても美しく、基隆廟口夜市での海鮮料理のこともあり、好きな町のひとつとなりました。

f:id:harutaiwan:20191120201532j:plainf:id:harutaiwan:20191120201438j:plainf:id:harutaiwan:20191120201552j:plain

f:id:harutaiwan:20191120202433j:plain
基隆の名店、李鵠餅店の鳳梨酥 土鳳梨酥ではなく昔ながらの冬瓜入り

基隆から九份に戻ると、ほとんどの店が閉まる20時以降には人っ子一人いない静かな町へと変貌を遂げていました。この時間帯の九份はひっそりとしていて、裏の階段から見下ろす町並みは、その雰囲気と相まって表現しがたい美しさでした。いつの間にか違う世界に行ってしまったのか、帰れるのだろうか、という気持ちにさせられるほどでした。

f:id:harutaiwan:20191120202222j:plainf:id:harutaiwan:20191120202252j:plainf:id:harutaiwan:20191120202232j:plainf:id:harutaiwan:20191120202306j:plainf:id:harutaiwan:20191120202318j:plainf:id:harutaiwan:20191120202332j:plainf:id:harutaiwan:20191120202350j:plainf:id:harutaiwan:20191120202412j:plain
観光客でごみごみする様子が想像できない、しんとした九份

九份が夜に見せた姿が忘れられず、帰国後に調べていると、九份を舞台にした有名な台湾映画があることを知りました。「悲情城市」です。当時の私は日本が台湾を統治していたこともろくに知らないほど、本当に何の知識もなかったので、初めて見た時は正直全く内容が理解できませんでした。しかし、この映画の持つ雰囲気に、台湾に初めて訪れた時に感じた不思議な魅力と同じものを覚えて、強く惹かれました。このDVDには台湾の史実年表や場面の解説が付いていたのでそれを繰り返し繰り返し見たことがきっかけで、台湾の歴史に興味を持つこととなりました。